リフォーム・リノベーション研究室

フルリノベーションと仮住まい——期間と費用の実際

公開2026.08.21 更新2026.08.21
フルリノベーションと仮住まい——期間と費用の実際

フルリノベーションを検討する際、工事そのものの内容には関心が向きやすい一方、仮住まいの期間や費用は後回しにされがちです。しかし住み継ぐ家づくりを成功させるには、仮住まい計画こそ早い段階から資金計画に組み込んでおくべき要素です。

工期別に見る仮住まい期間の目安と選択肢

フルリノベーションの工期は、建物の規模や構造、設備配管の入れ替え範囲によって大きく異なります。マンションの場合は三か月から半年程度、戸建てで骨組みまで手を入れる場合は半年から一年近くを見込むことも珍しくありません。仮住まい期間はこの工期に、着工前後の余裕期間を一か月ほど加えて考えるのが現実的です。

選択肢としては、賃貸マンションの短期契約、マンスリーマンション、ウィークリー物件、あるいは親族宅への一時的な滞在などが挙げられます。期間が短ければ家具付き物件の利便性が生き、長期に及ぶ場合は生活動線や収納力を重視した通常の賃貸契約のほうが心身の負担を軽減できる場合があります。工期の見通しが立った段階で、期間に応じた住まい方を並行して検討しておくと安心です。

仮住まい費用を資金計画にどう組み込むか

仮住まいの費用は、家賃だけでなく敷金や礼金、仲介手数料、火災保険料などの初期費用も含めて見積もる必要があります。短期契約の物件は月額家賃が割高になる傾向があるため、総額で比較検討することが欠かせません。リノベーション費用の見積もりに仮住まい費用を含めずに資金計画を立てると、後になって想定外の出費として重くのしかかることがあります。

富裕層のお客様であっても、仮住まい期間中は二重の住居費が発生する点に変わりはありません。現在のお住まいの住宅ローンやマンション管理費と、仮住まいの家賃が並行して発生する期間をあらかじめ試算し、総予算のなかに明確な項目として位置づけておくことが望まれます。金融機関への相談時にも、この仮住まい費用を含めた総額で資金計画を提示すると、より現実に即した融資設計がしやすくなります。

荷物保管と引っ越し2回分のコストを見落とさない

フルリノベーションでは、工事前に一度荷物を運び出し、工事後に再び運び入れるという、引っ越しを二回行うことになります。この往復にかかる費用は、荷物量や運搬距離によっては合計で百万円近くに達することもあり、見落とされがちな支出のひとつです。

加えて、仮住まいの広さによっては家財のすべてを持ち込めず、トランクルームなどの外部倉庫を併用するケースも多く見られます。特に美術品や家具にこだわりのあるお住まいでは、温湿度管理の行き届いた保管環境を選ぶ必要があり、その分の保管料も月々発生します。荷物量の把握と保管方法の検討は、仮住まい探しと同じタイミングで進めておくことをおすすめします。

仮住まい先選びで後悔しないための視点

仮住まいは一時的な住まいとはいえ、その期間の生活の質は日々の心身の余裕に直結します。通勤や通学、かかりつけの医療機関との距離、日常の買い物動線など、これまでの生活圏からどの程度離れるかは事前に十分検討しておきたい点です。

また、工事現場への訪問頻度が高い方であれば、現場までの移動時間も考慮した立地選びが望ましいでしょう。仮住まい期間は決して長くはありませんが、その期間の暮らしやすさが、完成後の新しい住まいへの期待感にもつながっていきます。

よくあるご質問

仮住まい期間はどのくらい前から探し始めればよいですか。

工事着工の二か月から三か月前を目安に物件探しを始めることをおすすめします。特に家具付き物件やペット可の物件は流通量が限られるため、早めの情報収集が安心につながります。

仮住まい費用はリノベーション予算のどの程度を見込むべきですか。

住宅の規模や工期によって幅がありますが、家賃・初期費用・引っ越し二回分・荷物保管料を合算すると、総予算の一割前後を見込んでおくご相談が多い印象です。詳細は物件条件により変動しますので、個別にご相談ください。

仮住まい探しとリノベーションの打ち合わせは並行できますか。

はい、多くのお客様が設計内容の打ち合わせと仮住まい探しを並行して進めていらっしゃいます。工期の見通しが立った時点で情報を共有いただければ、スケジュール全体の調整もしやすくなります。

まとめ

フルリノベーションにおける仮住まい計画は、期間の見通し、資金計画への組み込み、引っ越しと保管のコストという三つの視点から早めに整理しておくことが大切です。住み継ぐ家づくりの第一歩として、余裕を持った準備をおすすめします。

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